教師は、児童生徒と関わることはもちろんですが、避けられないものがあります。
それは
保護者対応
です。
保護者とはなるべく良好な関係を築きたいですが、些細なことでトラブルになることも…
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些細なことでも大きな問題になったりするよね。
保護者との関りにストレスや悩みを抱えているという人もいるのではないでしょうか?
本シリーズでは、保護者のタイプを知り、その保護者に対してどのような対応をすると良いかを解説していきます。
前回の記事はこちら⬇️
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今回はより良い関わり方について知っておきましょう。
本記事は全ての保護者に当てはまるものではありません。
参考程度にご覧ください。
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保護者と良い関係を築く必要はある?
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保護者と良い関係性を築いておくとメリットが多くあります。
一方で、保護者対応は労働時間ではないという判決も出ています。
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保護者対応はやった方がいいけど、労働ではない。
難しい…
保護者対応は労働時間じゃない?
(あまり声を大にして言えないけど…)
保護者と関わることは、教師の労働時間としては認められていません。
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え…立派な仕事だと思ってた…
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ボランティアに近いよ。
公立学校の教員の勤務時間外の業務についての裁判の判決が、さいたま地裁で出ており、労働時間と認められているものと認められていないものに線引きがなされました。
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保護者への対応は労働時間として認められていないので、保護者対応を「やらない」と言う先生は義務はないんです。
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仕事ではないけど、良い関係性を築く必要があるんだよね?
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そうだね。
特に、特別支援学校は保護者との関わりが密になってくるからね。
保護者対応をどの程度優先すべきかは、自分次第ですが、僕(うた)は保護者との関わりを大切にした方がメリットが大きいと考えます。
保護者と良い関係を築くメリット
では、保護者と良い関係性を築くとどんなメリットがあるのでしょうか?
- 児童生徒の内面が理解できる
- 子供や家庭のサポートができる
- 問題解決の迅速化
- 家庭からの信頼を築ける
一番のメリットは「児童生徒の成長をより促すことができる」という点です。
保護者と良い関係性が築けると、学校以外での子供の様子を聞くことができたり、家庭で悩んでいる点を学校でもサポートできるようになります。
保護者は、生まれて今まで子供を育ててきた、いわばその子のプロフェッショナルです。
たかだか数年その子と付き合ってきた私たちとは歴が違います。
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子供のことを一番理解しているし、家庭での様子も知っているからね。
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家と学校で態度が変わる子もいるよね。
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そういう時に相互理解があると、対応の仕方を相談したりできるよね!
大切なのは、保護者の機嫌取りをするのではなく児童生徒の成長を促すためと捉えておくことです。
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子供に対しての悩みが解決すると、自然と保護者の信頼も築けるよ。
学校という一面だけではなく、多方面から児童生徒を見ることで、問題解決ができることもあります。
そのような時に、保護者と連携が図れることはとっても大切なことです。
より良い保護者との関わる方法
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では、どのようにして保護者と関われば良い関係性が築けるのでしょうか?
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結構あるね。
全部できるかな?
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初めは難しいし、保護者によってやれることは変わってくるよ。
ポイントを解説していくね!
小さなことでも「報・連・相」
保護者が一番不審に思うことは「報・連・相」がないことです。
今まで良い関係性が築けていても、一度の失敗で全部が台無しになることもあります。
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これはあるあるだよ。
本当に何気ない失敗で関係性が崩壊したのを見たからね。
以前、こんなことがありました。
同学年にいた若い先生は、3年間持ち上がりで、保護者とも良好な関係を築いていました。
そのことを僕(うた)に自慢げに話していたくらい。
ある日、若い先生が担任している児童が転んでしまい、膝にあざができてしまいました。
その若い先生は「軽く転んだだけだから大丈夫」と、一応養護教諭に処置してもらいましたが、連絡帳に記入しませんでした。
放課後、その児童の保護者が激怒して学校に来ました。
激怒した理由を聞くと、下校後膝には大きなあざがあり、腫れていたとのことでした。
それ以降、年度末まで「担任を変えろ!」「子供のことを見れない担任は信用できない」「隠蔽だ」と保護者は手のひらを返したように、若い先生や学年主任、管理職に文句を言っていました。
たった1回のミスでも、保護者によっては大きな不信感に繋がってしまいます。
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ちょっとしたことでも、伝えるくらいがちょうどいいんだね。
特別支援学校では、障がいの程度によっては、児童生徒が話せないこともあります。
そのような時、小さな変化でもこまめに伝えることが大切です。
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些細なミスが致命的になることもあるからね。
その子の良い面を伝える
保護者と良い関係性を築くためには、その子の良い面を伝えることも大切です。
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しっかり見てるアピールにもなるからね!
その子の長所や伸びている部分を伝えてあげることで、保護者は「見てくれている」という安心感にも繋がります。
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その子に良い面がない場合は?
いわゆる問題児ということでしょう。
そんな子でも良い面は必ずあります。
・テストの成績が少し上がった
・友達に優しく接していた
・コミュニケーションの幅が広がった
・授業を以前よりも集中して受けられることが増えた
・運動神経が抜群!
・先生の手伝いをしてくれた
etc…
比較するのは「以前のその子」。
どんな些細なことでも構いません。
子供は自然に成長していくものです。
以前のその子よりも良くなったというところを伝えてあげるのも良いことですね。
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どんなに細かい良い面も伝えてあげることが大切だね!
注意点もしっかり伝える
保護者に児童の良い面ばかりを伝えすぎるのは良くありません。
確かに、褒められると嬉しいです。
しかし褒め続けられると、「本当にそうなのか?」と疑問視してくる方もいます。
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良い事ばかり言い続けたらセールスみたいだよね。
時には、注意する部分も織り交ぜながら伝えてあげることも大切です。
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注意点ばかり言うことはNGだよ。
当たり前ですが、悪い部分ばかり言われて良い気分になる人はいません。
大切なのは、良い部分・注意する部分を適度に伝えることです。
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どんな感じで伝えればいいの?
- 最近、算数のテストの点数が良くなっている。
- でも図形の問題が苦手で、授業も集中できていない。
- ただ、模型を使う時にはとても集中している。
- 頭の中で処理するのが少し苦手な部分があるが、自分で模型を使って取り組むとやる気が上がるみたい。
- これを続けていけば苦手意識のある図形も、克服できる可能性がある。
- (可能であれば)ご家庭でもやってみてほしい。
「図形が苦手だし、授業でやる気がないんだよ」
と伝えたいけれども、その時の小さな良い点を織り交ぜて伝えています。
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しっかりと、注意点も伝えているから、要点は押さえているよ。
可能であれば今後の展望や、家庭でできることも伝えられると良いですね。
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絶対できるようになる!
みたいな言い回しはNGだよ。
児童生徒の成長に絶対ありません。
いつ、どのような時に変化するか分からないことに対しては断定的な言葉を使うことは控えましょう。
傾聴する
一定の教師に多くみられるのが、「自分の意見を押し付ける」です。
今までの保護者対応でやっていませんでしたか?
自身の教員経験や知識があることが、逆に保護者対応でマイナスに働くことがあります。
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「そういうことを聞きたい訳じゃない」
っていう保護者もいるよね。
保護者がどのようなことを求めているかをしっかり判断するために「傾聴」は大切です。
傾聴とは?
相手の話に耳だけでなく目や心も傾け、話し手の状況や感情に共感しながら理解し、受け止めるためのコミュニケーション技術です。
引用:カオナビ
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相手の話も聞きながら、どういう心境かも理解することが大切だね。
また、一定の保護者は、「自分の意見(愚痴)を聞いてほしい」だけの場合もあります。
特に教育に対して熱をもっているわけではないけれど、自身の子どもに対するストレスや悩みを言いたい方はいます。
そんな方にも、「〇〇してあげればいい」というアドバイスは余計なお世話かもしれません。
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とりあえず話を聞いてほしいという人もいるんだね…
しかし、話を聞きすぎるのも良くはありません。
というのも、話をすることがストレスの捌け口になりうるからです。
そうなってしまうと、延々と話をされて業務に支障が出ます。
傾聴も大切ですが、時間を区切って対応することも大切ですね。
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「◯時から会議があるので、その時間までなら対応できます」
みたいな事を事前に伝えられるといいね。
重要なポイントがメモを取る
保護者が伝えてきたことに対して、ポイントとなりそうなところはメモを取りましょう。
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大切なのは「会話中にメモを取る」ということ。
電話応対でも面談でも、(できれば)立ち話でも、気になる部分はメモを取っておきましょう。
というのも、事後に話した内容を書き出そうとしても、思い出せない可能性があるからです。
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特別支援学校でよくある会話は、以下の通りだよ。
・次の通院の日程
・ショートステイの日程
・装具や車椅子ができる日
・遅刻早退の日程
・通院での内容
・役所とのやりとりの内容
etc…
他にもありますが、経験した中でよくあることがこれほどあります。
これを遅刻・早退時の立ち話で言われることもあるので、メモ帳は必須です。
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これは確かに覚えられないね…
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「連絡帳に記載してください」て伝えるのもアリだよ。
通院の日程などは連絡帳に書いてもらうことができても、会話の中での児童生徒の様子や悩みについては「連絡帳に記入してください」は通用しません。
なので、保護者が伝えたいことはやはりメモを取っておくことが大切ですね。
保護者のよいしょはしない
保護者対応は、あくまで児童生徒の成長を促すものに必要なものです。
最近は、保護者対応に熱を入れすぎて、保護者に接客している先生も増えてきました。
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教師の本来の姿じゃないよね…
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いろんな保護者がいるから、そうなる気持ちも分かるけどね…
ただ、最悪なのは学校全体で一部の保護者をよいしょすることです。
管理職が特定の保護者をよいしょすることで、他の保護者にも情報がいくことがあります。
また、転学・進学した時に「前の学校ではこうやってもらった」と言う可能性があります。
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他の保護者が「〇〇さんにはこうやってるんですよね?」
って言ってくることもあるんだよね…
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保護者が「当たり前」って勘違いしちゃうと、進学・転学した時にその子も保護者も生きづらくなっちゃうよ。
その時はよいしょすれば片付いたことでも、その後大変なことになるかもしれません。
あくまで児童生徒の成長のための保護者対応ということを忘れないようにしましょう。
深入りし過ぎない
保護者との関わりで、「深入りし過ぎること」も良くありません。
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深入りってどんなこと?
・特定の保護者と私情も含めた会話
・個人の連絡先の交換
・勤務時間外に会う
・異性を意識する
あるあるなのが、「卒業式で連絡先を聞かれる」ことです。
今後も自分の子を見てもらいたい・卒業後の成長を見てほしい、年賀状を送りたいといったことを言われます。
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教師も人間だから、気持ちが揺らぐことがあるよね。
一昔前は、卒業アルバムに先生や児童生徒の住所が載っていましたが、現在はそのようなことはありません。
また、特定の保護者に対して深入りしてしまうと、他の保護者との対応にギャップが生じてしまいます。
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それを指摘されたら問題になりそうだね。
ごく稀に、保護者と付き合ったり体の関係になることもあるようです。
そういうリスクを背負うかもしれないので、保護者とは一定の距離感で付き合っていく必要があります。
まとめ
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本記事では、保護者と良い関係性を築くための関わり方について解説しました。
先にも書いていますが、あくまで参考程度に見てください。
全ての保護者に当てはまるものではありません。
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使えそうな部分を保護者対応に役立たせてみてね。
最後に、関わり方をおさらいしましょう。
保護者対応は、経験を重ねるごとに慣れていくものです。
初任の先生や経験の浅い先生には参考になるのではないかと思います。
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保護者対応が上手くできるように、参考になるといいな。
皆さんの教師生活の参考になれば幸いです。
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コメント
コメント一覧 (2件)
自分の意見をおしつけない
これが重要だ、押し付けるのは自分の立場が親より上と思うからだ
漢字の字体、掛け算の順序、押し付けてはならぬ これは意見ではない、原則だとの反論があると思うが、原則ではない
儂は教師ではない
コメントありがとうございます。
確かにそうですね。
「押し付ける」ということは関係性が対等ということではありませんね。
参考にさせていただきます。